「市長発!! 熊本地震対応について」
自治体の広報紙の発行サイクルは多く場合、月一回か二回です。このサイクルから、どうしても速報性に劣るところがあります。制作に要する時間もあって、記事が古い内容になってしまうという側面があるのです。
さらには、特集やお知らせなど、毎号記事のスペースが確保されているものもあるため、突発的な事態が起きた時に、それを広報紙の紙面に反映させるのは必ずしも容易ではありません。
そのような中で、今回取り上げる大分県豊後大野市の「市報ぶんごおおの 2016年5月号」は、4月14日に熊本地方で発生した地震について、市としての対応をまとめた記事を掲載しています。
ここで豊後大野市は一工夫しています。準備していたであろう記事は削らず、毎号「市長発!!」として掲載していたコラムのスペースで、市長が報告するというかたちで、豊後大野市における地震対応の経緯が説明されているのです。
もちろん、市長が市としての対応を住民に説明するというのは非常に重要なことです。そして、「不安な日々が続いていますが、市民全員で協力しあって乗り切りましょう。」という言葉で、この記事が締めくくられているように、市長がメッセージを発することも重要なことです。
それをいち早く、地震後に最初に発行される市の広報紙で行う。
このスピード感と編集作業の柔軟性は特記すべきことです。