【働く女性の注目記事】ハロウィンもいいけれど、名月の下で“お月見どろぼう”はいかが?
千葉県多古町の「広報たこ」にこんな記事がありました。「“お月見どろぼう”参加者募集」。千葉県出身なのに初めて聞きます。お月見どろぼうって何でしょう?
お月見どろぼうとは江戸時代から最近まで各地で行われていた風習で、中秋の名月(十五夜)に子どもたちがお月見のお供えを盗んでよい(!)というものです。子どもたちは月からの使者と考えられていて、そのため、この日限定で盗みが許されるというわけです。盗まれた家は豊作になるなど縁起がよいというのもユニークで、かつてこの“どろぼう”たちは竿のような長い棒の先に針金をつけてお団子を盗んだり、畑の芋を取ったりしたのだそうです。今も残っている地域が各地にありますが、おもしろいことに北は福島県から南は沖縄県まで、その実施地域は広範囲に散らばっています。現在はさすがに竿を持ってよそさまのお団子を…というのではなく、「お月見どろぼうでーす」などと言って各家を回るスタイルで残っているようです。
多古町では、2012年からこれを現代版お月見どろぼうとして復活させ、今回で5回目を迎えます。子どもたちは商店街を歩いて回り、合言葉を言うとプレゼントがもらえるというもので、ハロウィンとウォークラリーをミックスした楽しいイベントである一方、「子どもたちの礼儀や思いやりの心を伸ばすきっかけ」としての役割も担っているとのこと。なるほど地域の大人たちと声をかけあう機会は貴重なものですし、ウォークラリーは仲間同士で助け合う場ともなりそうです。
ハロウィンは日本でもすでに定番化しつつありますが、日本版ハロウィンともいえるお月見どろぼうもなかなかに興味深いではないですか。月の光の下、こうしたイベントがもっともっと広がれば楽しいですね。