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東京オリンピックまであと4年…「国際交流のつどい」でお勉強!

「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事
あんびるえつこ

2016.10.31 区のおしらせ 中央 平成28年10月21日号 東京都中央区

私の誕生日に、夫が2人で近所のお寿司屋さんに行こうと誘ってくれたときのことです。子どもの手がやっと離れ、本当に久しぶりの“2人飲み”の機会でした。カウンターに座り、上機嫌で飲み始めて30分くらいたったとき、キョロキョロと周りを見回し様子を窺うように一人の外国の男性がカウンターに座りました。メニューを見ながら、やや癖のある英語で次々と質問を始めると、今度はお店の人がキョロキョロし始めました。「英語、わかんない!」

大学時代、ESS(英語研究部)に所属していたという自負から、私は割って入って会話を試みました。そしてなんとかお寿司を選び終わると、彼はポルトガル人のフォトグラファーで、日本の松が好きで撮影に来たことを話してくれました。それから延々2時間ほど、彼の質問タイムになりました。「松竹梅の何が一番好きか。松が一番高いメニューに適用されるのはなぜか。花鳥風月ではいけないのか」など、次々と私たちの無意識をつくようなことを聞いてきたのです。

これには夫婦で四苦八苦。そこで気が付いたのは、私たちは私たちの文化にいかに無意識、無自覚であるかということです。私は、外国人が訪れたとき、どこに何があるか、その歴史、またお寿司など興味をもたれそうな文化の説明ができればいいのだと思い込んでいました。しかし彼が興味を抱いていたのは、そういったインターネットで得られる一元的な文化の情報ではなく、その文化が日本人のどういった精神性によって支えられているかということだったのです。こうした視点は実際に外国の方と関わってこそ得られたものでした。

東京都中央区の『区のおしらせ 中央 平成28年10月21日号』に、「国際交流のつどい2016 International Exchange Party 2016」というイベントの告知がありました。日本の遊びや文化の紹介とともに、スペイン、インドなどの文化にも触れることのできる国際交流イベントです。「折り紙」も紹介されるようですが、どうして折り紙にはいろいろな美しい絵柄があるのか、どうしてそのような柄が好まれるのか…など、きっとあの彼なら聞いてくることでしょう。実際に生身で触れ合う交流は、私たちの日本の文化に対する無自覚を自覚する貴重な機会にもなるのではなかと思います。

お寿司屋さんの帰り際、夫がぼそっと「やっぱり2人の会にはならなかったね。子どもがいないと思ったら、外国の方が加わった!」と苦笑い。「でも楽しかったからいいか!」。そう、国際交流はやはり楽しいもの。“2人飲み”では得られない、新鮮な発見がありました。東京オリンピックまであと4年。こうした機会が多くなることが、楽しみでなりません。

 

国際交流のつどい2016 International Exchange Party 2016

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