人生の先輩に学ぶことは多い 「倉敷マスターズ制度」の普及に期待!
新しい年がスタートしました。今年は酉年。私の父は、今年84歳で年男です。中学校校長を最後に、教職を退いて二十数年。その後、公民館に勤めたり、私立高校講師をしたり、保護司をしたりしていましたが、そろそろ何も仕事がなくなってきたと、先日寂しそうに言っていました。
そこで気になったのが、岡山県倉敷市の『広報くらしき 2017年1月号』に掲載されていた「倉敷マスターズ制度」です。同制度は、地域社会の中でいきいきと活躍し、周囲に元気を与える存在である85歳以上の高齢者に送られる称号なのだそう。記事で紹介されていたのは、平成28年度に認定されたというふたりの方。戦争について知ってもらうために世界平和祈念書作展を開催されている80歳代の男性と、お習字の指導や地域のイベントなどで揮毫(きごう)されている90歳代の女性です。
そうか、こういう風に今まで生きてきた世界の延長線で地域と関わっていけばいいのか…と、とても参考になりました。さしずめ私の父なら、地域の教育相談にのるなど、教育者としてのキャリアをいかしていく…ということでしょうか。そして、この「倉敷マスターズ」のような称号があれば、更に本人の目標や励みにもなることでしょう。
こうした元気な高齢者の姿は、一方で、私のような中年世代にも希望を与えてくれます。私は仕事柄、多くの消費者団体の方にお目にかかるのですが、長く活動されている姿を拝見し、「ああ、二十年後、三十年後に、こういう人になりたい!」と思うことがよくあります。そして自分の将来像、モデルとして心にとどめています。エリクソンは「人は死に向かって成長していく」といいましたが、すっかり大人になったつもりの私に、「まだまだ成長する余地があるぞ!」と教えてくれる存在です。
「倉敷マスターズ」は、当事者である高齢者の励みとなるだけでなく、市民にモデル像を提示してくれるという点で、その予備軍である全世代の人たちの灯となってくれるものですね。ほかにどのような方がいらっしゃるのか、とても知りたくなりました。