中学生の娘は、先週、定期テストでした。普段からきちんと勉強していればいいのですが、一夜漬け…というより、もはや浅漬け状態。わからない問題を学校の先生に質問する間もなく、大学生の兄に教わることになったのですが…。教えている兄が連発する「えっ、そこからわからないか～！」という言葉が部屋に響き渡っていて、私は思わず笑ってしまいました。そう、「わかっているだろう」は、禁物。教える側も、油断は大敵なのですよね。

そこで、今回気になったのが、『広報しながわ 平成28年6月21日号』の一面「ご存じですか？ 粗大ごみの出し方」という特集です。東京に住んでいる者なら、当然知っているであろう「粗大ごみの出し方」。私もこれまで何度となく、インターネットで申し込み、近くのコンビニエンスストアで粗大ごみ処理券を購入し、予約した日に粗大ごみ置き場に運ぶ…という一連の流れを経験しています。言われなくても「わかっているだろう」という内容です。それでなくても、限られた広報誌の紙面。なにも改めて一面で扱う必要はないだろう…と考えがちです。

しかし、東京都は人口の移動が日本一多い都道府県。ちなみに平成26年に他都道府県から転入した人数は、なんと40万5000人弱。これはちょうど岐阜市の全人口にあたります。そんな多くの新しい住民にとって、粗大ごみの出し方は新鮮で、そしてとても大切な情報です。この記事は、そうした地域の特性に配慮して、あえて1面という目につくページで取り上げたのでしょう。

でも、それだけではなさそうです。東京在住20年超えの私も、改めてこの粗大ごみの出し方特集を見て、「わかってなかった！」ということがあったのですから。それは基礎の基礎、粗大ごみの定義。曰く「粗大ごみとは、家庭で不要になった布団や家具など、高さ・幅・奥行のいずれか一辺が30cmを超えるごみのことです」。えっ⁉　３０cmをいずれの辺も超えていなかったら、粗大ごみ申請しなくてよかったの？　粗大ごみとして出してしまったクッション。ちゃんと大きさを測ればよかった…。やはり基礎は大事ですね。

情報の発信者としても、そして受信者としても、この「わかっているだろう」に思い込みがないか、今一度検討してみる必要がありそうです。きっといろいろな場面で、思わぬ「そこからわかっていなかった」があるに違いありません。

ご存じですか？粗大ごみの出し方