【働く女性の注目記事】お盆の白玉団子、作りましたか?
みなさま、お盆はどのように過ごされましたか? 新潟市西区の広報紙、西区役所だより「にし」にこんな話題がありました。「地域の風習 知っていますか?」。同地域の食生活改善推進委員さんたちによれば、昔はお盆に白玉団子を作ってお供えしていたが、今は食べなくなったとのこと。ハスの葉に盛って白砂糖やみたらし餡をかけたもの、真ん丸でなく真ん中がくぼんでいるものなど、家庭によって特徴があったとか。
これを読んで、「そうだった!」と思い当たりました。私が子どものころ、祖母がお盆になると白玉団子を作っていたのです。祖母ができなくなるといつしか作らなくなって、今では思い出すこともなかったのですが、故郷とは遠く離れた新潟市西区の広報紙から、ずっと昔のお盆の風景が懐かしくよみがえってきました。家事が嫌いで普段は台所に立つことのない祖母が、この時だけは文句を言いながらお団子をゆでる姿がお盆の風物詩になっていたこと。団子を丸めるのを手伝ったこともあったっけ。
白玉団子はお盆の行事食の一つで、精進料理やそうめんなどと合わせて用意するお供えものだそうです。13日はお迎え団子、14日はおはぎ、15日はそうめん、16日の送り団子は浄土にお帰りになるご先祖様のお土産としてお供えします。あのお団子にはこんな意味があったのですね。
今やお盆は、仕事がお休みになる方にとって「ここしか取れない夏休み」と化し、手間や時間のかかるこうした風習は廃れてきているのかもしれません。しかし、このように小さいけれど忘れたくないものが各地にあって、それをすくいあげることができるのは地元に密着した広報紙ならではという気がします。全くゆかりのない土地の人が読んでも「あ、たしかにこういうのあった!」と共感できる、ちょっといい話をこれからも見つけたいものです。